インスタ運用は「戦略立案(STRATEGY PLANNING)」が9割である理由。

「毎日投稿を頑張っているのに、フォロワーが全く増えない」 「フォロワーは増えたが、Webサイトへの流入や売上には一向に繋がらない」 「競合はあんなに伸びているのに、なぜウチはダメなんだろう」

企業のInstagram運用において、このような「成果が出ない」という悩みは尽きません。多くの担当者様が、リール動画の編集や美しい画像の作成に多くの時間を費やし、真面目に運用「作業」を続けています。

しかし、もし成果が出ていないのであれば、それは「努力」や「投稿の量」が足りないからではありません。

ただ一つ、「戦略立案(STRATEGY PLANNING)」が決定的に欠けているからです。

この記事では、なぜ私たちが「インスタ運用は戦略が9割」と断言するのか、そして、成果を出すために不可欠な「戦略立案」の3つの柱について、徹底的に解説します。

そもそも、インスタ運用における「戦略立案」とは何か?

多くの人が、「戦略」と聞くと「どんな投稿をするか」を考えることだと思っています。しかし、それは戦略のほんの一部、戦術(Tactic)にすぎません。

私たちが定義する「戦略立案」とは、投稿を1枚も作る前に、そのアカウントの「存在意義」と「勝利への道筋」を設計する、最も重要なプロセスです。

家づくりに例える「戦略」の重要性

Instagram運用は「家づくり」によく例えられます。

  • 戦略のない運用(失敗する例): 「とにかく家を建てよう」と、設計図も引かずに、いきなりレンガを積み始めるようなものです。デザインに一貫性はなく、誰が住むのかも曖昧。結果、見た目は立派でも、誰も住みたいと思わない、構造的に欠陥のある家が完成します。これが「投稿は頑張っているのに成果が出ない」アカウントの正体です。
  • 戦略のある運用(成功する例): まず、「誰が(ターゲット)」「何のため(コンセプト)に住む家なのか」を徹底的に議論します。次に、その土地(市場)の周辺にある家(競合)を調査し、「この土地で最も魅力的な家(ポジション)」を定義します。そして初めて、詳細な「設計図(戦略)」が引かれます。

この設計図があるからこそ、投稿(レンガ)の一つひとつに意味が生まれ、一貫性のある強固な家(=アカウントという名の資産)が完成するのです。

戦略立案とは、「なんとなく」を排除し、「すべてに理由がある」状態を作り出すこと。そして、その設計図こそが、私たちがサービスの中核に据える以下の3つの柱です。

  1. コンセプト設計(Concept Design)
  2. ターゲット分析(Target Analysis)
  3. ベンチマーク調査(Benchmark Research)

これら3つがなぜ重要なのか、一つずつ深掘りしていきましょう。

【第1の柱】コンセプト設計:そのアカウントを「フォローする理由」を作る

コンセプトとは、そのアカウントの「魂」であり、「軸」です。一言でいえば、「このアカウントが、ユーザーに提供する独自の価値(Unique Value Proposition)」を定義することです。

なぜコンセプトが最重要なのか?

Instagramには、すでに何億ものアカウントが存在します。ユーザーは常に「このアカウントをフォローする(=自分の貴重なタイムラインに表示させる)価値があるか?」を無意識に、かつ冷徹に判断しています。

ここで、明確な「フォローする理由(=コンセプト)」を提示できなければ、あなたの投稿はその他大勢に埋もれ、スワイプされて終わりです。

  • ダメなコンセプト(例:カフェ): 「当店のおすすめメニューや日常を紹介します」
    • → ユーザー心理:「ふーん、よくあるカフェだ。別にフォローしなくてもいいや」
  • 良いコンセプト(例:カフェ): 「本好きが静かに過ごせる『読むため』のカフェ。今週の”読書のお供”ラテアートを紹介」
    • → ユーザー心理:「本好きの私にぴったり!このラテアート可愛いし、お店の雰囲気も良さそう。フォローしよう」

後者は、「本好き」という明確なターゲットに対し、「静かな時間」と「特別なラテアート」という独自の価値を提供しています。この「軸」があるからこそ、投稿内容(ラテアート、静かな店内、おすすめの本)に一貫性が生まれ、ブランドとして認知されます。

「良いコンセプト」の作り方

私たちは、コンセプトを「誰に」「何を」「どのように」という3つの要素で分解し、設計します。

1. 価値(WHAT)の発見: 貴社の商品・サービスが持つ価値を棚卸しします。「高品質」「美味しい」といった抽象的なものではなく、「ユーザーのどんな問題を解決できるか?」という視点(ベネフィット)で考えます。

2. 独自性(HOW)の定義: その価値を、競合とどう差別化して見せますか?

  • 切り口: 「時短」「節約」「専門性」「網羅性」「共感」など。
  • トーン&マナー(世界観):
    • ビジュアル: 色味(暖色系、寒色系、モノトーン)、フォント、写真の構図。
    • ボイス(文体): 専門家(ですます調)、友人(タメ口)、寄り添う(共感型)。

3. 「やらないこと」を決める: コンセプトとは「何でも屋」にならないことです。「軸」を際立たせるために、「このアカウントでは絶対に発信しないこと」を決めます。(例:中の人のプライベートすぎる日常、安売り情報、ブランドイメージと合わないトレンドの真似)

コンセプトが定まれば、担当者が変わっても、トレンドが変わっても、決してブレることのない「強いアカウント」の土台が完成します。

【第2の柱】ターゲット分析:その投稿を「たった一人」に突き刺す

コンセプトが「何を言うか」だとしたら、ターゲット分析は「誰に言うか」です。そして、これはInstagram運用において、コンテンツの「刺さり具合」を決定づける最重要プロセスです。

「フォロワー数」より「フォロワーの質」

よくある失敗が、「20代〜30代女性」といった広すぎるターゲット設定です。これでは、誰にも響かない、当たり障りのない投稿しか生まれません。

私たちが目指すのは、「10万人の無関心なフォロワー」ではなく、「1000人の熱狂的なファン(=未来の顧客)」です。

そのためには、ターゲットを「たった一人」にまで絞り込んだ「ペルソナ」を設定する必要があります。

「ペルソナ」はどう作るか?

ペルソナとは、その「たった一人」の理想の顧客像に、まるで実在する人物かのような詳細な設定を与えることです。

1. 基本情報(デモグラフィックス)

  • 年齢、性別、居住地、職業、年収、家族構成など。
    • (例:32歳、女性、神奈川県在住、IT企業勤務(育休中)、夫と1歳の息子の3人家族)

2. 価値観・悩み(サイコグラフィックス) ここからが本番です。その人の「頭の中」を覗きに行きます。

  • 悩み・痛み (Pain):
    • 「育児で自分の時間がない。スキンケアもサボり気味で罪悪感…」
    • 「独身時代のように、もう高い化粧品は買えない」
  • 欲求・理想 (Gain):
    • 「時短でもキレイでいたい。夫に”疲れた?”と言われたくない」
    • 「ママ友の間で”あの人いつもキレイだね”と思われたい」
  • 普段の行動:
    • 「子供が寝た後の21時〜23時が、唯一の”自分時間”。スマホを触る」
    • 「Instagramで何を検索するか? → “時短 スキンケア”, “プチプラ コスメ”」
    • 「どんな投稿を『保存』するか? → “3分でできるヘアアレンジ”, “ドラッグストアで買える優秀コスメまとめ”」

ペルソナが「投稿」を劇的に変える

上記のペルソナ(育休中のAさん)が見えましたか?

このAさんに情報を届けるなら、どんな投稿が響くでしょうか?

  • NG投稿:
    • 「新発売!高級美容液△△」(→ 高くて買えない)
    • 「週末はじっくりエステ気分」(→ そんな時間はない)
    • 朝8時に投稿する(→ 子供の準備で一番忙しく、見ていない)
  • OK(刺さる)投稿:
    • 「【保存推奨】子供が寝た後に。ドラッグストアで買える”塗るだけ”パック5選」
    • 「美容液・乳液・下地がこれ一本!忙しい朝の”30秒”時短コスメ」
    • 投稿時間は、Aさんがスマホを触る「21時」に設定する。

これが、「戦略的なターゲット分析」です。ペルソナという「たった一人」に深く突き刺すことで、結果として、その背後にいる何千、何万という「同じ悩みを持つ人々」に投稿が届き、熱狂的なファン(=質の高いフォロワー)が形成されていくのです。

【第3の柱】ベンチマーク調査:「勝ち筋」と「空席」を見つける

コンセプト(軸)とターゲット(誰に)が決まったら、次は「市場(Instagram)の中で、どこで戦うか」を決めます。それがベンチマーク調査です。

ベンチマーク調査とは、単に「競合を真似する」ことではありません。「競合や成功事例を徹底的に分析し、自社が勝てるポジション(勝ち筋)と、まだ誰も手をつけていない『空席』を発見する」ためのリサーチです。

なぜベンチマーク調査が必要か?

Instagramはすでにレッドオーシャンです。同じようなコンセプト、同じようなターゲットを狙うアカウントは無数に存在します。

何も調査せずに参入するのは、武器も持たずに激戦区に飛び込むようなもの。まずは市場を俯瞰し、「どこにチャンスがあるか」を見極めなければなりません。

分析対象は「3種類」

私たちは、分析対象を3つのカテゴリに分けてリサーチします。

1. 直接競合(Direct Competitors)

  • (例:同じエリアのカフェ、同じ価格帯のコスメブランド)
  • 分析視点:
    • 相手の「強み」と「弱み」は何か?
    • どの投稿が伸びていて(いいね・保存が多い)、どの投稿がスベっているか?
    • フォロワーは、投稿の「何に」反応しているか?(コメント欄を徹底的に読む)

2. 間接競合(Indirect Competitors)

  • (例:カフェにとっての「コンビニスイーツ」、コスメにとっての「美容家電」)
  • 分析視点:
    • 同じターゲットが、なぜそちらにお金や時間を使っているのか?
    • 自社が勝てる要素(例:コンビニにはない”体験”)は何か?

3. ロールモデル(Role Models)

  • 業界は違うが、自社が目指す世界観やコミュニティを体現している「成功アカウント」。
  • 分析視点:
    • どうやってファンとの絆を作っているか?(ストーリーズの使い方、コメント返し)
    • プロフィールやハイライトの「見せ方」で工夫している点は?
    • どのような企画(キャンペーン)で盛り上がりを生んでいるか?

最終ゴール:ポジショニングマップで「空席」を見つける

分析の集大成として、私たちは「ポジショニングマップ」を作成します。これは、市場を2つの軸で区切り、競合と自社の立ち位置を可視化するフレームワークです。

  • (例:カフェアカウントの軸)
    • 縦軸: 「価格(安い vs 高い)」
    • 横軸: 「提供価値(空間・体験 vs メニューの味)」

このマップ上に競合をプロットしていくと、必ず「競合がひしめくエリア(レッドオーシャン)」と、「競合がいない、または弱いエリア(ブルーオーシャン=空席)」が見えてきます。

私たちがやるべきは、自社の強み(コンセプト)とターゲットのニーズが合致し、かつ競合がいない、その「空席」を狙い撃つことです。

これが、ベンチマーク調査によって導き出される「勝ち筋」です。

まとめ:戦略なき運用は、「作業」ではなく「負債」である

この記事で解説してきた「戦略立案(STRATEGY PLANNING)」は、正直に言って、非常に地味で、時間のかかる作業です。すぐに「いいね」が増える魔法でもありません。

しかし、この土台(コンセプト、ターゲット、ベンチマーク)を無視して開始されたアカウントは、どうなるでしょうか。

  • 投稿内容がブレ続け、ブランドイメージが毀損する。
  • フォロワーは増えても、誰も商品を買ってくれない。
  • 担当者は疲弊し、貴重な人件費(コスト)だけが浪費されていく。

これはもはや「作業」ですらなく、企業にとって「負債」を生み出しているのと同じです。

私たちが提供するのは、目先のバズを追う「運用代行(作業)」ではありません。 貴社のInstagramアカウントを、広告費をかけずとも未来の顧客を呼び込み続ける「デジタル資産」へと変貌させる「戦略設計」です。

もし今、貴社が「運用作業」に追われ、本来の目的を見失いかけているのであれば、ぜひ一度ご相談ください。 私たちは、貴社だけの「設計図」を描くプロフェッショナルです。

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インスタグラムを売れる資産に

消防士として培った、いかなる困難も乗り越える「覚悟」。 そして、市場を客観的に分析し、本質を見抜く「データに基づく冷静さ」。 私は、この両方を強力な武器としています。 情熱とロジックを融合させ、常に最適解を導き出します。 この「覚悟」と「冷静さ」で御社のブランド価値を最大化し、 未来へと繋がる強固な運用を実現することをお約束します。

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